シェフのきまぐれ暴力 - 7/18
・朝起きてからふと思い立って、AIにイラストを描かせていた。これは『空飛ぶ黄色い顔たち』。
・顔に見えないこともない。
・AIに自我が芽生えたら絶対にこんな絵は描いてくれなくなるだろうな。まったく意味が分からないし。「お前のウケのために我々を利用するな！」と叱られるかもしれない。先に謝っておこう。
・このままAIの成長が続けば、そのうちTwitterにバズるためのツイートを自動で書き込んでくれるプログラムなんかも完成するかもしれない。手軽に承認欲求を満たせるサービスとして運用される未来がすぐそこまで来ている。
・もし発達した人工知能を好きに使えるとしたら何に使いたいだろう。レポートを代わりに書かせるとか話し相手になってもらうとかくらいしか思いつかないな。
・そう考えると、今みたいに変な絵を描かせてケラケラ笑っているのがちょうど適切な距離感なのかもしれない。これ以上AI側から歩み寄られたところで対応のしようがないので……。
・『何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ！』の画像をタイムラインで見かけた。ツイート本文の内容には一切触れず、相手の人格だけを的確に攻撃する便利な画像だ。
・何かを攻撃するツイートがバズった時、引用リツイートかリプライに必ずと言っていいほどこの画像が貼られている。ここまでテンプレ。ここから天ぷら。これだからTwitterはやめられない。
・というか、そもそもそうやって人のツイートに画像をペタペタ貼り付ける行為自体が『何が嫌いかで自分を語る人間が嫌い』という自分語りになってないか？本当に何が好きかで自分を語っている人間がこの画像を引用しているケースを見たことがないかもしれない。
・コンテンツに対する批判や反対意見を全て封殺するのはかなり不健全な形態だと思っているので、考えなしにこの画像を持ち出す人があまり好きではない。そもそも自分を語っているわけでもなく、ただ純粋に批評をしているだけのツイートに貼られている場合の方が多いような気さえしている。
・嫌いなものの話をされるのがそんなに苦痛なのか、という驚きもある。自分はあまりそういうことを気にしないし、どうしても気に障るならブロックなりミュートなりいくらでもやりようはあるので。
・「わざわざ嫌いとか言いに来なくてもいいだろう」という意見を目にするが、別にそれは好きなものの話にもそのまま当てはめられるのではないか。インターネットまでわざわざあれが好きだとか言いに来ずとも、自分の内に秘めておけばいい。誰かと好き嫌いを共有することに何らかの意義があるのかという話になってくると、そんなものはどこにもないような気がする。
・みんなが好きなものの話だけをして一日が終わる……そんな理想のソーシャルネットワーキングサービスを作るのは、君だ！僕は普通に嫌いなものの話をします。好きなものだけでは自分を語れない人間もいる。
・『奴隷を買って甘やかす』『実はウブなサキュバス』『毒舌だけど内心デレデレなメイド』みたいな、意外性を狙って描いていたであろうに結局ベタなところに落ち着いてしまったコンテンツが多すぎる。もはや本当に奴隷として扱われる奴隷や妖艶なサキュバスの方が珍しい。
・みんなが奇を衒おうとして結局似たり寄ったりのものが出来上がるというのは、漫画や小説に限らずよく見かける。Twitterでシュールな呟きを繰り返すだけのアカウントはだいたい名前が二文字〜四文字くらいの一般名詞で、プロフィール欄の文章は要領を得ない胡乱なもの。なんとなく「あ〜」ってなると思う。こうして書いている間にもいくつかのアカウントが脳裏をよぎった。
・こういうフォーマットを最初に生んだ人の優越感はヤバいと思う。みんながこぞって自分の生み出したジャンルに食いついてくるわけで、いわばそのジャンルの生みの親になる。最初に『実はウブなサキュバス』を思い付いた人は本当に凄い。それになってみたい。
・別にいま『奴隷を買って甘やかす』漫画を描いている人をバカにしているわけではまったくなくて、ただ単純に「もうどこにも意外性が無くなっちゃったよね」ということが言いたかった。
・Twitterの四コマ漫画に奴隷が出てきたら、まず間違いなく風呂に入れられて美味しいご飯を食べさせられ、メイドさんにキャッキャ言われながら可愛い洋服を着せられる。そこから先の展開は作者によって違うかもしれないが、逆にいえばそこまでのプロセスは誰が描いても同じようなものになりがち。漫画のイーブイかよ。
・毒舌だけど内心デレデレなメイドさん、目の前に現れてくれないかな。自分のスケジュール管理を全部丸投げしたい。それだけしてくれるならデレデレじゃなくてもいいし毒舌でなくともいい。なんならメイドさんじゃなくて執事さんでもいい。
・スケジュールはちゃんと守ろう。インターネット不調法者との約束だ。
