8/5の雑記-2
どうも、まっちゃです。
続きは明日書くとか言っておきながら気がつけばもう三週間ほど経ってました。無意識の間に精神と時の部屋に幽閉されていたのかもしれません。
この数十日の間にもまあ色々あったのですが、面倒なのでそこら辺はすっ飛ばして天理お出かけの続きを書こうと思います。
天理本通り商店街は閑静な通りで、寂れているわけではないが騒々しいわけでもない、非常に僕好みの雰囲気でした。
てっきり神棚だの壺だの仏具だのばっかり売られている詐欺商品の見本市みたいな所かと思っていたのですが、美味しそうなお食事処や喫茶店なども多く並んでおり、あまり胡散臭い感じはありません。
また、『アベンジャーズ』みたいなフォントで「領域展開」が書かれたポップや『鬼退散マスク』(鬼滅の刃とは無関係)などが並ぶドラッグストアがあって、こういうのは天理でも変わらないんだなあと思いました。
目下封印中の五条悟が「何が出るかはお楽しみ!」とか言ってるのも皮肉が効いてて面白いですね。お前が早く箱から出てこい。
その後も昔ながらの風情があふれる漬物屋さんや魚屋さん、ちょっとだけ天理の色が強すぎる本屋さんなどを眺めつつ、本通りを脇の方へ抜けると、いかにも怪しげな建物が目に入りました。
この写真を撮ったとき、僕は真の意味で天理にやってきたことを実感しました。
これは天理教の『詰所』と呼ばれる建物で、多くの信者さんたちが寝泊まりする場所です。棟ごとに甲賀や堺、越州など日本各地の様々な土地の名前が割り振られており、同様の建物が市内各地にいくつも存在しています。
絶妙に不安を煽ってくるこのデザインには何とも言い難い快感を覚えました。
ネットで見た写真とあまりにも同じものが出てきたので、僕は感動を通り越してもはやウケてしまい、ニヤニヤと笑いながら建物を撮影しまくりました。
その様子を信者の方に見つかっていたら、気味悪がられて街を追い出されるか、あるいは宗教狂人(しゅうきょうくるいんちゅ)とみなされて手厚い勧誘を受けるかのどちらかだったでしょう。どっちがマシかは分かりませんし、分かりたくもありません。
詰所沿いの道を汗水垂らしてひたすら進んでいると、今度は目の前に天理市役所が現れました。
こちらは色塗りをミスった富士山のようなものが市庁舎の上に載っており、設計の意図が本当に分かりません。あとぶら下がってる標語が地味に五七五じゃないのがなんかムズムズします。「天理の子」で終わらせれば綺麗に嵌ると思うのですが、「天気の子」みたいでNGだったんでしょうか。
市役所から左に折れてウネウネと歩くこと十数分、とうとう今回最も訪れたかったスポットに到着しました。少しでも天理について調べたことのある人ならば一度は目にしたことがあるであろう、『天理教協会本部』の正面入り口にあたる建物です。
写真に写っているのは天理参考館や天理小・天理大などが連なって構成される、門のような巨大建造物の一部です。一説によると、天理教関連施設のある地域をこのような壁でぐるりと囲み、かつての京(みやこ)のような形にしようとする計画があるとか。
ハチャメチャにおもしろそうなので是非僕が死ぬまでに実現してほしいです。
ちなみに真ん中の道は道路なので車もバイクも普通に通ります。真っ黒なバイクに乗ったおばちゃんが颯爽と門の向こうへ消えていったのがとても印象的でした。
ここを超えると遠くに天理教総本部が見えます。
総本部はなんと24時間365日開け放たれており、信徒たちの祈りを常に受け止めているとのこと。僕が近づいた時も建物の中はお祈りを奉げる人たちでいっぱいでした。
そんな熱心な人たちに交じってカメラをパシャパシャしていた僕は相当浮いて見えたことでしょう。本堂の中の人たちが祈りを奉げていたのではなく僕の陰口を叩いてたとかだったら泣いちゃいますね。
そうこうしているうちに時刻は午後一時を回っていました。この日の天理市の気温は36℃、バッチバチの猛暑日です。
ここ数年は連載末期のドラゴンボールにおけるスーパーサイヤ人くらい猛暑日が大安売りされていますが、子供心に胸がバチバチするほど騒ぐスーパーサイヤ人とは違い、猛暑日は別に欲しくもないものを押し付けられているだけなので堪ったもんじゃありません。
本来なら天理市名物の『天理スタミナラーメン』を食べて帰宅しようと思っていたのですが、あまりにも暑すぎたがゆえにそんなものを食べたら卒倒してしまうのではないかと危機感を覚え、泣く泣く断念せざるを得ませんでした。
次に天理へ行くことがあれば是非とも味わってみたいものです。
あらかた天理の観光を終えた僕は駅周辺で少し遅めの昼食を摂ることにしました。すると、駅の構内にちょうどいい感じの中華料理店があったので、せっかくだから入ってみることに。
店頭には中華そばがおすすめとありましたが、ラーメンを諦めた先でラーメンを食べるのもなんだか癪なので、ガン無視してカツ丼を頼みました。
隣の席のババアが信じられないレベルのクチャラーだったことに殺意を抱きつつ待つこと数分、ようやく僕の注文したカツ丼が運ばれてきました。
店員さん「はいカツ丼おまたせしました~」
僕「あー、ありがとうございます」
え?
え???
天理流のぶぶ漬け?????
あまりにも既存の知識から逸脱した光景を前に、僕はただ唖然とするしかありませんでした。確かに「どんぶりの蓋のへこみってちっちゃい物なら盛れそうだよな」と思ったことは何度かありますが、まさか本当に盛る人がいて、しかも自分がそれをお出しされる側になるとは完全に想定外です。
なんか、クソほど意地の悪い一休さんがやりそうなことだなとか思ってしまいました。
後から調べたところ、これは昔から行われている伝統ある盛り方だということが分かりました。昭和の料理屋なんかではよくやっていたそうですが、母に聞いても知らないと言っていたので、地域差があるのかもしれません。
てっきり「一見さんはこのたくあんでも食って帰ったらよろしおす」的な京風マインドの発露かと思ってビクビクしていたのですが、違ったようでホッとしました。
ビクビクしたけどカツ丼はめちゃくちゃ美味かったです。
ちなみに僕が戦々恐々としている間も隣のババアはクチャクチャ言わせてました。カツ丼の美味さと相殺し合ってプラマイゼロです。そのくらい不快な音でした。
そんな感じで僕の天理探訪は無事(?)に終了しました。数年前から気になっていた土地だったので、観光できて本当に良かったです。
ただ、今回行くことのできなかったお店や食べられなかったご飯もたくさんあるので、いつかまたリベンジしたいと思います。今度行くときはあまり暑すぎず、寒すぎず、隣の席にクチャラーがいない時が良いですね。
それではさようなら。